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webの概要と歴史

公開日: 2023.10.12   更新日: 2023.12.11

まえがき


 

この記事を読んでいる皆さんは当然webを利用している。

今見ている記事自体web上に公開されているのだから

 

今では当然のように使われているwebだが、どのように誕生し、そもそもどのようなものなのか?

この記事ではwebの概要と歴史を紹介する。

 

ちなみにwebの誕生時筆者は生まれてないので、この記事の内容を実際に見てきたわけではない。

発展した世の中に生まれて良かったと思う一方、誕生の過程を見たかったとも思う。

 

 

 

Webとは?


 

WebとはWWW(World Wide Web)のことでインターネット上でさまざまな情報を閲覧、共有するシステムのことである。

 

「web」という英単語には「クモの巣」という意味があるが、さまざまなコンテンツが世界中にありクモの巣のように結びついていることからこのように名付けられた。

 

また、Webを説明する上で欠かせないものにハイパーメディア分散システムがある。

 

ハイパーメディア

ハイパーメディアとは、テキストや画像、動画などさまざまなメディアをハイパーリンクで結んで構成されたメディアのことである。

 

HTMLなどがまさにこれ。
HTMLにはテキスト、画像、動画などのメディアが含まれておりそれらがリンクで結びつき構成されている。

 

今皆さんが見ているこのサイトもテキストや画像を含みリンクで結ばれている。

 

 

分散システム

分散システムとは、ネットワークで複数のコンピュータやプログラムをつないで、1つのコンピュータで処理するよりも効率的に処理できるようにしたシステムのことだ。

 

web上には多くの情報が存在し、世界中でアクセスがあるため分散システムは必要不可欠。

 

 

Webの歴史


 

ここで簡単にWebの歴史をまとめてみたいと思う。

 

webの誕生は1990年、CERN(欧州原子核研究機構)のティム・バーナーズ・リーによってなされた。

 

 

webの歴史

 

 

 

Web誕生以前(1999年以前)

 

1945年  Memexの構想

この構想はハイパーメディアの起源ともいえる構想。

 

ヴァネヴァー・ブッシュによって発表された情報検索システムの構想である。

 

電気的に接続した本やフィルムを相互にリンクし、リンクをたどって表示するというまさにwebの前段階のようなシステム。

 

ちなみにブッシュの発表した論文はこちらから読むことができる。

 

このときはまだ「ハイパーメディア」という言葉も誕生していない。(シンプルにすごいと思う。)

 

 

1960年  ザナドゥ計画

Memexの構想に影響を受けたテッド・ネルソンが創始した世界最初のハイパーテキスト開発プロジェクト。

 

ネルソンは1965年に「ハイパーテキスト」「ハイパーメディア」という言葉を考案。

 

ハイパーテキストはテキストにハイパーリンクを備えた概念で、ハイパーメディアはそれをテキスト以外の他のメディアにも拡張した概念である。

 

この計画では今のWebをさらに進化させた機能を持つハイパーメディアXanaduを構想した。

 

しかし、その高機能ゆえの複雑さから開発に50年以上もかかった。(そのあいだにWebは誕生し、普及)

 

今ではPDFの置き換えを目的に開発が進められている。

 

 

1969年  ARPANET構築

ARPANETとは世界初のパケット通信ネットワーク。インターネットの起源とも言えるものである。

 

パケット通信

データを小包のように小さく分割して送受信する通信方法。

回線を占有するのではなく、複数のユーザーで同じ回線をシェアすることが可能。

 

回線通信

通信開始から終了まで1つの回線を占有して行う通信方法。

電話などに使われている。インターネットなどには不向き

 

 

米国防総省の高等研究計画局(ARPA、現在のDARPA)が導入したためARPANETとよばれる。

 

IPルーティングに相当する技術や、TCPに相当するデータの受信確認や再送制御により伝送の確実性を確保するコネクションの仕組みなど、現在では当たり前に利用されている多くの技術の開発や検証に利用された。

 

1983年に軍事関係のネットワークが分離し、1986年に大学や研究機関のネットワークが分離するなど、徐々に接続拠点が減っていきARPANETは1990年に正式に廃止となった。

 

 

1980年  ENQUIREの開発

ENQUIREはCERN(欧州原子核研究機構)にてティム・バーナーズ・リーらが開発したソフトウェア。webの起源とも言えるものである。

 

当時のCERNでも多くの人が働いており、相互に情報をやりとりしていた。

その際、さまざまなフォーマットでデータのやり取りがなされていたが、異なるシステム間でのやりとりが難しかったため、それに対処する必要があった。

 

ENQUIREはその解決のために開発され、以下のような特徴を持つ。

  • 「カード」というページ群からなり、カード上にハイパーリンクがある
  • 双方向リンク
  • サーバから直接編集可能

 

CERNではENQUIREを利用したが、それを運用するために時間が費やされていることに気づいた。

双方向リンクなので、情報を変更した時にリンク先も変更が必要になるなどの問題もあった。

 

これらの問題の解決のためにいよいよwebが誕生する。

 

ちなみにENQUIREは一般に公開されることはなかった。

筆者としては一度どんなものか体験してみたい。(今の技術で疑似的に作ってみようかな...)

 

 

1990年  webの誕生

ENQUIREの問題を感じたティム・バーナーズ・リーは1989年に、さらに進んだ情報管理システムの提案書を提出。

1990年11月12日にそれをさらに具体化した提案書「WorldWideWeb: Proposal for a HyperText Project」を提出し、翌日から何人かで実装を始めた。

 

その年のクリスマスまでに様々なツールが実装され、1990年12月20日、人類初のwebページ(ここ)が公開された。

 

仕事が早すぎると思う。すごすぎる

 

 

1992年  日本初のwebページ公開

1992年9月30日、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の森田洋平が日本最初のホームページ(ここ)を作成した。

 

 

1993年  wwwが一般に無償公開、Mosaic誕生

1993年4月30日、ティム・バーナーズ・リーらの主張により、CERNはWWWを一般に無償公開した。

 

同年にイリノイ大学の米国立スーパーコンピュータ研究所のマーク・アンドリーセンらがwebブラウザMosaicをリリースした。

 

Mosaicは当時革新的なブラウザで、テキストなどと同じウィンドウで画像も表示できる最初のブラウザである。

 

それまでのブラウザは画像は別ウィンドウで表示されていた。

 

 

1994年  W3C設立

W3Cとはwebの標準化団体です。

 

Mosaicが開発され広まると、次々と新しいhtmlタグが生まれ、ページの開発に苦労するようになったため、タグの標準化が必要になった。

 

現在ではHTML, HTTP, XML, URLなどwebのさまざまな主要技術がW3Cによって標準化されている。

 

 

この団体を創設し、率いているのはまたもティム・バーナーズ・リーである。(仕事しすぎではなかろうか?)

 

日本では慶應義塾大学SFC研究所に拠点があり、中国以外のアジア圏を担当している。

 

 

1994年  RESTが発表される

他にも重要な出来事はあると思いますが、個人的にRESTはwebの歴史の中でも重要だと思うので載せた。

 

RESTは現在でも主流なwebのアーキテクチャのこと。

 

RESTを発表したのは当時カリフォルニア大学アーバイン校の大学院生だったロイ・フィールディングである。

 

彼はwebの創成期からwebの開発に関わっている。

Apache httpd(webサーバーの1つ)やlibwww-perl(perl向けのHTTPクライアントライブラリ)などの実装である。

 

この実装経験を元にティム・バーナーズ・リーらとともにHTTP1.0とHTTP1.1の仕様策定にも関わった。

 

そのとき、大学院生だったこともあって、webの成立についてソフトウェアアーキテクチャの観点から分析し、1つのアーキテクチャスタイルとしてまとめ、博士論文として提出した。そのアーキテクチャスタイルこそが「REST」である。

 

RESTについては別の記事で詳細をまとめようと思う。

 

 

まとめ


 

このようにwebは意外と最近になって誕生してここまで進化を遂げている。

 

もちろんここに書いた歴史以外にも大きな出来事はあったはず。

 

Googleの誕生、SNSの誕生、ブロックチェーンの誕生、Web3・・・などなど

 

ですがこれ以降はいろいろなものが爆発的に誕生し、正直ここに書ききれないと思われる。

 

そのうちそれぞれの誕生物語と書こうかな

 

まだ歴史が浅く、今後も進化を遂げていくと思うと未来が楽しみだ。

 

そして私も歴史を作る1人になりたい

 

 

 

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